2010年3月16日火曜日

「沖縄そばの日」の立役者 サン食品

「おいしい健康を届けます」をテーマに
沖縄の食を支え、牽引し続けている
株式会社サン食品。
沖縄そばの麺を主体に
沖縄そばの具材、つゆなどのほか
生&乾麺のうどんやそば、中華そばなど
幅広く製造を手がけています。
また、沖縄の文化にも造詣が深く
沖縄の食文化への思いは
燃え続ける情熱に彩られていました。
「厨房体験・沖縄そば手作り体験」も開催し
沖縄そばの歴史や味わいを伝えるとともに
人材育成も行っています。




 「沖縄そばの日」の立役者
 琉球王朝より続く文化を説く

 10月17日沖縄そばの日。
 沖縄はその日、お祭りみたいに「やっぱり沖縄そばはおいしい?」と浮かれている訳だけれど、実は壮絶な文化の闘いを経てゆえに得た、尊い日。
 そば粉を原料としない沖縄そばは、そばの表記はしてならぬ。そうお達しが通達されたのが、復帰後。
 「そばと呼ぶのは、琉球王朝時代から続く文化の背景がある。なぜにその文化を否定され、搾取されねばならぬのか?」
 執念にも近い闘いを、サン食品の代表取締役社長の土肥健一さん(写真)は始めてくれたんですね。他県を1県ずつ行脚し、地域に伝わる文化の深さを説いていったといいます。
 そして、そば粉を使っていなくても、沖縄のそばはそば。そう認められたのが、10月17日。




水の専門家が、沖縄の食文化発展を願い  沖縄そば作りにたずさわる

 土肥さんは、熊本県のご出身。疎開先で出会った沖縄の学童から聞いた、青い海と青い空の話。大学生時代に知り合った沖縄出身の友人に聞いた、七色の海の話。そこが、沖縄との関わりの原点といいます。
 大学時代、初めて沖縄に訪れたといい、船酔いのまま降り立った港で、頭上に輝く太陽との距離の近さに圧倒されたそうです。
 「なんだ、この近さは。……太陽が大きい」
 サン食品の、由来です。
 そうこうして就職、土肥さんは水質調査の技術屋として、国内のみならず海外まで飛び回っていたといいます。沖縄には、復帰以前、行政からの依頼で飲み水の確保調査のために来県。行政仕事だったため、土曜は半どん、日曜は休日となり、その余暇を利用して食に着目したそうです。
 その裏にあった思いは「沖縄は復帰をすれば、あらゆるものが大量に流れ込んで来て、県外との格差が出る。このままでは、食文化は負ける」というものでした。
 土肥さんは調査が終わり沖縄を離れぬうちにと、技術アドバイスのつもりで「沖縄フードセンター設立」を提案したといいます。しかしながら誰も手を上げてはくれず、自身が担うことに。創業に選んだ工場の場所は、水のよかった那覇市松川にしました。周辺は繁多川豆腐で有名で、湧き水の多いところとして知られています。
 さて、しかしなぜ「麺」にしたのでしょう?
 「麺には、歴史がある。日本各地、その地域ごとに特色があり、個性がある。沖縄も然り。さらには、深い深い歴史が沖縄そばにはある。ふるさと自慢の逸品だ」
 豪快に笑い、豪快に当時を振り返った土肥さんでした。




沖縄そば手作り体験教室

 食の真髄を伝える沖縄そば手作り体験教室を開催し、歴史や素材、作り方、食べ方などを紹介しています。根底には食の安全を伝えたいという、食育的取り組みも含まれています。
 参加者からは「こね方のコツがおもしろい」「コシがあって、おいしい」などの感想が聞かれます。
 参加申し込みは、口コミやホームページを見てからがほとんど。体験帰宅後、感想を寄せてくれる人も多いといいます。メールの気安さがつながりを結んでくれているようです。また、寄せられた感想は、ホームページで紹介するなどもしています。
 高良さんは、「通販サイトにも手軽さがある」といいます。「気軽に購入できる」点を進化させ、今後、在宅の方への宅配システムも確立したいと考えているそうです。
 性別や年齢別、カロリー別、在宅の状態などに合わせて、沖縄そばを届けたいとのこと。もしかすると、介護される側とする側かも。そういう人に、ほっとできるおいしい沖縄そばを届けたいといいます。
 また、性別やカロリーなど状態に合わせた陳列方法も検討中とのことです。
(写真は沖縄そば手作り体験教室)




製造工場と受注、配送 システムを構築

 サン食品は、2009年11月より「新販売管理システム」を起動させています。
 既存の販売管理システムを進化させ、製造ラインと営業による受注をオンライン化しています。
 例えば、営業(配送)担当が、スーパーなど店舗で在庫確認および納品をしますが、ハンディターミナルでチェック。自身のパソコンよりデータを転送します。
 データを受け取った工場は、いち早く製造量などを調整していきます。
 「システム開発で苦労したのは、製造部の生産ラインとの調整」と高良さん。「250アイテムある商品は、製造時間や生産量、生産ラインもバラバラ。受注時間や発注個数、納品先も違います」この細かな振り分けを調整するのに、1年かかったそうです。
 「時短になったのは確実」といい、また別の面からも効果があったそうです。「今まで売上達成にとらわれていたことに気づいた」と高良さん。「利益追求だけではなく、純利益に対しての意識が高まった」といいます。
 「廃棄処分などロスを知ることにつながった。生産や営業の効率性を判断し、ロスの見直しをはかり、価格を検討、適正を知ることにつなげたいと思うようになった」
 また、県外大手スーパーなどは、ウェブ通しでの受注発注も多く、「ITによるシステム化に対応していたことはラッキー」とも。
「今後にどう対応していけるのか?その課題を一つひとつクリアしていきたい」とも語っていました。 (写真:社内の様子)





 沖縄の食文化を世界へ  IT推進で、さらなる飛躍を目指す

 沖縄の食文化のために立ち上がり、沖縄そばを地域に根付かせたサン食品。「安全な食を届け、県外や海外にもその食文化を広めるためにも、ITの推進が欠かせない」と、高良さん。
 土肥さんの情熱を継続維持し、誇り高きを広めていくにも、ITは必須。高良さんの中には、そんな冷静なる情熱が秘められているようでした。
 「ITによる効率化で、可能性は拓く。まだまだ、私たちのできることがあると思う」と、力強く語った高良さん。「IT化は協力、賛同し、一緒にやってくれるスタッフがいればこそできる。システム化に向けての調整は非常に難儀。でも、それを乗り越えたからこそ、生産性をアップし、大手スーパーとも滞りのない付き合いができる。ITを今後にどう対応していけるのか?その課題を一つひとつクリアしていきたい」





(会社概要データ)
URL:http://www.sun-foods.net

会社名:株式会社サン食品
事業内容:沖縄そば他麺を主体にした麺類製造、麺用だし・具材などの食料関係製造及び販売
所在地:〒901-0300 沖縄県糸満市西崎町4-13-6
    TEL:098-852-3330
    FAX:098-852-3315
代表者:土肥健一(76歳)
創業:1968年1月20日、1971年4月9日株式会社化
資本金:18,910,000円
従業員数:142名
取扱商品:御膳符そばセット(平成21年度沖縄県優良県産品)、沖縄そば生麺、沖縄そばだし付麺など




経営理念:「おいしい・健康お届けします」





運営責任者:総務部次長 高良修



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