2010年3月30日火曜日

千草物産

みなさま こんにちは!
さて、今回はうちなーむんの健康食品を
製造販売していらっしゃる
『千草物産』さまにお邪魔いたしました。
「薬草」と「健康」について、とても大事なお話が
聞けました。

沖縄の食文化「クスイムン(薬草・薬膳料理)」と
中国の漢方。
その両方を取り入れ、文化を広めながら
元気と健康を届けたい。
「千を超す薬草から、健康を獲得したい」
その社名にも込めた思いのなかには、
自社農場と提携農家とともに
薬草栽培を手がけ、
安全・安心にこだわること。
そして、クスイムンを大事に育ててきた
先人の叡智を伝えたいという思いも詰め込んでいます。



万国共通の永遠のテーマ「健康」のために
 薬草を畑ごと醗酵のこだわり自家栽培


 「健康で死にたい」と語った、代表取締役社長の赤嶺さん(写真)。
 「短絡的にいえば、人間は死ぬために生きてる。だから、健康で死にたい」といい、「富や名声などではなく、最終的に行き着くのは健康じゃないかな?」といいます。
 万国共通のテーマ「健康」。一人ひとり、それぞれに与えられた寿命や天命を全うするために、健康で死ぬこと。そのためには、身体へのいたわりが必要。
 沖縄にはターンム(田芋)のシンジームン(煎じた汁)など、昔から伝わる薬膳料理がある。質素な食のなかに、健康の源がある。
 「健康の原点を見つめ、先人の叡智を日本中の人に知ってもらいたい」
 それが、赤嶺さんの出発点だったそうです。千草物産は、数千種類を超す薬草から吟味し、1杯の健康茶を届けることから始まったのです。
 健康茶に必要な「うこんなど薬草」を、提携農家および自家栽培。1980年代、飽食の時代といわれていた頃から、安全・安心をポリシーに、赤嶺さんはこだわって薬草を育て、薬草茶を作り続けています。
 赤嶺さんは、「1980年代、世界中の食べ物が手に入った。でも、(健康的に)食べられるものが手に入らない時代だった」といいます。添加物だらけの食に、沖縄のクスイムンへの思いや人間の生き方への思いを深めたようです。
 「健康食品を食べて健康になるためには、使用する素材が無害でなければ意味がない」だから、無農薬・有機栽培で丹念に育てた素材を厳選。自社農場ちぐさファームでは「畑ごと醗酵」をテーマに、完全無農薬・無化学肥料、有用微生物の力で薬草を育てています。



大学ノートに集めた顧客名簿
 DM発送のために、一太郎から導入


 無農薬・有機栽培で育てられた薬草を原料にした薬草茶を、赤嶺さんは、全国の百貨店などで店頭販売を行いました。片隅で小さく、コツコツと販売していたといいます。
 「2000年、ちゅらさんで脚光を浴び、沖縄ブームが到来。でも、80年代当時はまだまだ沖縄への理解が少なかった時代。言葉は英語をしゃべるの?なんて聞かれる時代。琉球人お断りなんて札もあるくらい、多少、差別も残っていた」といいます。
 そんななかでもコツコツ続けたのは、「沖縄を元気にしたい。文化を広げたい」という思い。そして、「ウチナーンチュはこれを食べて元気になってきた!ウチナーンチュの誇りがある!プライドがある!」という思い。
 「打算もなく、いいものはいい!と、地道にやってきただけ。それが認められたのではないかな?」と赤嶺さん。今では、30年来のおつきあいになるお客様も数多くいらっしゃるようです。
 「全国の百貨店へは、年に1回訪れるだけ。その年に1回の再会を楽しむのもありだけれど、せっかくの出会いが途切れる方もいらっしゃる。また会いたい、会うにはどうすればいいかと考えた。『次、来るときに案内を出しますから!』と、大学ノートにお名前と住所を書いてもらった」
 今でいうDM発送のための顧客名簿を、店頭のコミュニケーションで集めたという赤嶺さん。1名が5名に、10名に、どんどん募っていきました。 
 そのうち、手書きでは対応が難しくなり、
DM発送のために、千草物産初のIT導入となる
「一太郎」を導入。
 「パソコンのパの字も知らない時代。入力業務のための人材を募集しても見つからず、アウトソーシングで依頼していた」そんな時代に取り組み始めたIT化だったようです。
 「ただ、一太郎は宛名のみ。DMを発送するだけ。購買履歴などの情報蓄積ができないことに、課題を感じた」といいます。
 1990年代に入ると、百貨店の店頭販売での客足の伸びがストップ。さらにインターネットの普及により、販売方法の変革の検討を余儀なくされていきました。
 「我々のIT革命を早めに行わなければならない。DMも名簿を集めたお客様にやみくもに送るのではなく、的確な内容を送らなければ意味をなさない」
 当初20万円代だったDM発送料は、2000年には1億2千万円にまでふくれ上がっていたといいます。経営への危機感が強まるばかりのとき、IT推進が図られたのです。


コミュニケーションを深めるツールとして
 IT化を推進、カスタマイズをかける


 DM発送のためにシステム化を推進したものの、当初、業務に精通しない基幹システムを構築したため、2千万円の損失を計上してしまったといいます。その後、顧客管理の分野で確立されたパッケージシステムを導入。現場プロセスを把握し、カスタマイズを行ったことが功を奏したと評価します。1億2千万だったDM経費は、10分の1に軽減されたとか。
 赤嶺さんは、「ITには、未来の情報は入っていない。過去・現在の情報を蓄積し、未来のために活用するもの。ITにあるのは、未来の財産」と語ります。
 「会社運営のプロセスを把握し、それからシステムが稼働しなければいけない。在庫や売り上げ等集積した情報をもとに分析、数字や現状の把握できているからこそ、現場との温度差のない指示ができる。未来へ向けて大きく手を打つことができる」
 また、「入力や操作は人の手を介すもの。労力を惜しんでもいけない。ITは、経営現場に見合ったシステムと、人によって成功する」とも。入力業務はもちろん、カスタマーサービスでの心のこもった電話応対も大事な要点。ITは、「お客様とのコミュニケーションを深めるためのツールでなければならない」


偏らず、こだわらず
 「中庸」でいること


 赤嶺さんは「安全・安心」に徹底的にこだわる以外は、全てにおいて「中庸」であることが基本であるといいます。
 中庸とは、中正であり、行き過ぎや不足のない丁度のこと。陰陽のバランス。
 「偏らず、こだわらず、全てに中庸でありたい」と、繰り返した赤嶺さん。
 IT化についても、中庸。顧客管理システムや分析システム、電話対応のためのCTI、webショップ上のシステム管理、店舗でのPOS管理、バコードハンディシステム、どんどんIT化が進むなか、人によってもたらされるものも大事にしたいといいます。
 「大学ノートに手書きで集めた顧客名簿は、今も大事な宝物。その一文字一文字とのつながりを、IT化されても変わらずにいたい」と語りました。
 薬草茶やサプリメント製造についても、中庸。「配合にも中庸が大事。体を冷やすもの、温めるもの。自律神経を抑えるもの、高めるもの。運動をする人、しない人。……それぞれの身体や生活のなか、中庸なバランスになるものをとっていただくことが大事」
 那覇国際通りと大阪北区に構えた、漢方薬を販売する「ちぐさ漢方堂」で中庸を直に伝えてもいます。
 28種類の薬草をブレンドしたという「千草28茶」を、沖縄の陶芸・やちむんの湯のみに注いでくれました。香しさとほのかな甘さが、ほっとさせてくれました。
 忙しなく生きる現代だから、ときにゆるりとお茶を飲む時間を。体にやさしく染み渡るクスイムンで、体をいたわる。それも死ぬまで健康に生きる、そんな中庸な加減へと見事に誘ってくれている気がします。

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(会社概要データ)
URL:http://chigusashop.com

会社名:株式会社千草物産
事業内容:健康食品の製造販売、漢方薬(医薬品)の製造販売、薬局の経営
所在地:〒902-0074 沖縄県那覇市仲井真246-1
    TEL:098-832-3067(代)
    FAX:098-832-2963

代表者:代表取締役社長 赤嶺茂昌
創業:1980年
従業員数:81名
取扱商品:無農薬・有機栽培薬草にこだわった薬草から抽出した成分による春うこん、ブレンド健康茶千草28、オリジナルハーブティー、月桃化粧水など、健康茶、健康食品、自然化粧品
経営理念:「沖縄の食文化『薬草・薬膳(クスイムン)』で、健康づくりのお手伝い」
     「人も自然界の一員」
運営責任者:比嘉泉


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