世界の銘木によるフローリング材の企画製造販売を手がける株式会社アース貿易。高品質のフローリング材の市場を県内市場に限定せず、東京や大阪など首都圏をメインにした日本国内そして三国間貿易にも挑戦している。首都圏を中心とした日本国内の営業ツールとしてネットによる「サンプル請求」により顧客をつかみ、販売する手法で年商を伸ばし続けている注目の企業だ。選ばれる品質へのこだわりが信念。たった一度の人生を、真の誠で築きあげていく大切さを代表取締役の多和田氏におしえてもらった。生きることが楽しくなるそんなインタビューになった。
一度きりの人生を生きる 失敗したら一歩下がって また歩み出せばいい
代表取締役の多和田さん(写真)が高校受験の年に、アルゼンチンに移民していたおじさんが帰郷。「雄大なアンデスの山並み、果てしなく続くという肥沃な草原パンパ、その地平線……。話を聞いて、すぐにでも行ってみたいと思った」という。 「海外で過ごしたい。海外で働きたい」少年の夢は広がり、その夢を実現させるための一歩として琉球大学農芸化学科を専攻。土壌や微生物、醗酵など応用微生物を学んだ。 そして外務省から海外実習生として南米へ。1年を経た頃、「現地の状況や言葉を把握している人を紹介してほしい」という日本の商社の要望に、現地の大使館からの推薦で多和田さんは商社勤めとなったという。4年間南米と日本のコンタクトを取り持った後、東京勤務に。 東京本社赴任後、1日目にして「あぁ、ここは僕のする仕事じゃない」と辞表を提出。 え?1日で? 「だって、人生は一度だもん!」 多和田さんは、軽快に笑う。 「上司になることが夢じゃない。世界を見たい」それが、多和田さんの思いだったから。 「失敗しても、いいじゃない。一歩下がって、また進めばいい。歩き直したらいい。何もせずに後悔するより、経験を重ね、失敗した原因や反省を知り、自分の人生を歩く方がいい」
人間の信頼関係で築きあげられるものがある アース貿易の安定した品質も人間関係の賜物
それから縁あって木材の商社に勤め、入社当初から東南アジアを担当。多和田さんは木材の基礎を学び、書物などによって理論への理解を深めていった。 そして、アース貿易を立ち上げた。1990年のことだ。お金も0、経験も0、あるのは度胸だけ。 「売るのではなく、売れる商品。選ばれ続けるフローリング材を企画製造販売しよう」 いいものがあるからこそ、できる。その信念を貫く決意を固めた。 東南アジアなど現地に泊まり込み、現地の人たちと同じ飯を食い、苦悩や喜びを分かち合う。強固な人間関係を結ばなければ、いいものは作り続けられない。創業から20年を経た今も、信頼し合う付き合いが続く。 「助けられた」と、振り返る。自身のルールも通した。「互いの関係を50 vs 50にすることで、商売は成り立つ。常に公平である関係を重んじたい。補い合える関係でありたいと思う」 また、売れる商品を作る。それは「販売した後の責任も取れる商品である」という。その自信と誇りに満ちた商品を製造し続ける。そこに、アース貿易の本質がある。
自信と誇りに満ちた商品を知らせる手段
ホームページとサンプル請求
品質にこだわったフローリング材を企画製造。その商品を知らせるために、ホームページは重要なツールだと多和田さんは語る。 「近隣に住む人にも、商品を必要としなければ縁はない。ホームページでは距離に関係なく、必要な人に知らせることができる」 カタログの代わりとして、気軽に閲覧してもらえるのだ。ホームページは商品を知らせる媒体。 ただ「ホームページはバーチャルの世界。フローリング材の質感や色、味わいが完全に伝わるわけではない」 そこで、4タイプまで無料発送する「サンプル請求」という手法を取り入れた。 「ホームページは、サンプル請求サイトという位置づけ。顧客との距離を縮め、窓口を開く重要な役割を担っている」という。
船積みの様子を写真撮影、メールに添付 安心感を一緒に届ける
サンプル請求の品を発送後は、アナログに切り換え、電話やメールによってフォローアップしていく。いい商品をより付加価値のあるものにするには、ここも重要だ。 受注発送時には、パッキング配送準備中や船積み作業中などの写真を撮影し、メールに添付して状況を知らせるなどサービスも行う。「本当に商品は届くのか?」「いつ届くのか?」など、実際には顔の見えないネット販売の不安感を拭うための工夫だ。 「ネット販売やメール、電話、便利なツールも使い方次第。いかに、どんなふうに活用するのか、それで変わる」 便利であるからこそ、求めるものも大きくなる。そこに応える工夫を行うことが大事なのだと諭す。
自立型人材を目指す 決断できる人間になってほしい
現在、アース貿易で働くスタッフは全員がコンピュータ関係の専門学校卒業生だという。「伝票処理や情報収集など、ITの世界は便利。便利なものは使えた方がいい。その便利なツールを使いこなせる、そのスキルを持っていることは大きい」木材に関しての知識は、やる気次第。好きになるかどうかが問題。 ただ、求めることがある。「決断できる人間になってほしい」ということ。 「3年間の不平不満は許す。3年を経ても不平不満が出るのは、おかしい。自身の考えややりようを立ち返る必要がある」と多和田さん。 「学校では全てを学ぶ必要がある。でも社会では、不得意なことに最善を尽くすことはない。10名のスタッフがいれば、その中で一番になることを見つけること」 また「常に疑問も持ち続けなければ、先にも進まないだろう」といい、「困ったり迷ったり悩んだりしたら、相談をしたらいい。自身とは違う観点から見極める必要もあるだろう。そして結果に対して、自立し決断を下してほしい」と語る。「自分なりの工夫を加えなければ、成長も進化も、オリジナリティも生まれない」とも。 セミナーや講座などに参加した後、その学んだことに自身のアイデアを加味することも望む。 「ブログの講座を受けた後、みんなが同じコメントを書く。100名が受けて100名が同じでは、意味がない」と提言。 ITという便利なツールを駆使しながら、自立した自分を培うこと。それがアース貿易での課題。 「スタッフが自立してくると、自分もうかうかとはしてられない。もっともっと大きく、成長しなくちゃいけない。自立した彼らを許容し、何かあれば大丈夫といえる強さを持たなくちゃいけないからね」 人生を踏みしめる。生き方を強靭にする。工夫を重ねる。多和田さんからは、そんな人生のレシピをもおしえてもらった気がした。
(会社概要データ)URL:http://www.earthflooring.com/
会社名:株式会社アース貿易
事業内容:無垢フローリング、ウッドデッキ、ガーデンファニチャーなど建材の企画製造販売業
所在地:〒901-2205 沖縄県宜野湾市赤道2-8-21
TEL:098-893-6798 FAX:098-896-2100
代表者:代表取締役 多和田真誠(52歳)
創業:1990年4月
資本金:3,000万円
従業員数:10名
取扱商品:世界の銘木によるチーク無垢フローリング、紫檀無垢フローリング、花梨無垢フローリング材など、素材や質にこだわった無垢フローリング材とウッドデッキ材
経営理念:「3つの"E"=「Ecology:自然環境」、「Economy:経済性」、「Effect:影響」を考えて、このかけがえの無い「Earth:地球環境」そして人にやさしい生活環境作りのために、大切な木材資源を有効利用する技術、使用方法を探究します。」
運営責任者:代表取締役 多和田真誠
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